VWY、それは仕事のモチベーションを上げる3つの劇薬

仕事 モチベーション
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うウンザリ…

今日も憂鬱な朝がやってきた……。仕事へのモチベーションどころか、ベッドから起き上がりたくもない。このまま病気か何かで入院でもしたい気分だ。

いつも同じ事の繰り返し。

「今日から生まれ変わるぞ!」って決意を新たにする。そしてしばらくの間、やる気に溢れた日々が来る。でも、ちょっとメンドクサイ仕事につまづいたら、やる気を無くしてしまい、どんどん仕事は先送り。

そして、キラキラと輝いていた仕事への情熱もモノクロのように変わっていく。

「頑張らなきゃ」って分かっている。「これじゃあいけない」って。でも、その焦燥感にさいなまれて、精神的にもすり減って、参ってしまう。どうせ僕はイチローみたいになれやしない。

……と、あなたも大なり小なり、こんな気持ちになった事があるかもしれません。(もしかしたらベッドの上でこのサイトを見ているかもしれません。)

もしそうだとしたら、この記事はお役に立つはずです。

仕事のモチベーションが低下する三つの理由

何故冒頭の男のように、人は仕事へのモチベーションを失ってしまうのでしょうか?

それは以下の三つの要素(VWY)が不足している事が原因です。

Vision(ビジョン) 自分がどんな目的をもって仕事をしているのか?
Want(ウォント) その仕事は“やりたい”のか、“やらされている”のか?
Yell(エール) 自分の仕事は世間に認められているか?

仕事 モチベーション 低下

そこでこの記事では、これら一つ一つの原因に対応した

  1. 三つのストーリー(読み物として面白く、かつ記憶に残りやすい)
  2. 科学的な根拠(効果が実証されている)
  3. 実践案(すぐに自身の行動を変えられる)

をご用意しました。

これは冒頭の男のようにならない為の、強力な処方箋です。それでは一つ一つをご紹介していきましょう。

ビジョンとモチベーション

ビジョン

し昔の話です…

ある男は電球を磨く仕事をしていました。彼は日々繰り返される単調な仕事に、ウンザリしていました。

「俺は何の為にこんな仕事をしているんだろう?」

そんな風に感じて、嫌々と仕事をしていた時…たまたまその姿を見かけた、彼の会社の社長がこんな風に語りかけました。

君は、この電球がどこで光っているか知っているか?子供たちが絵本を読んでいる、すると外が暗くなる。家の中はもっと暗くなる。

そうすれば、どんな物語も途中で閉じなあかん。でもな、磨いている電球が一個あるだけで、子供達のドラマは続行や。

あんたは電球を磨いているんやないで。子供たちの夢を磨いているんや。子供たちの笑い声が聞こえてこんか?

物つくりはな、物を作っていてはあかん。物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ったらあかんのやで。

子供たちの夢のために、日本中、世界中にこの電球を灯そうや。

松下幸之助(パナソニック創業者)

そもそも私たちは、何故仕事をするのでしょうか?

それは全て社会貢献の為です。誰かの暮らしを豊かにしたり、幸せにする為に、労力や時間を犠牲にしているのです。

そして、どんな仕事でも必ず誰かの役に立っているものです。

別にお医者さんや政治家でなくても、安月給の皿洗いや内職、単純労働だって社会の歯車の一つとして機能しているのです。

ですが忙しい日々に囚われ、利益や生産性を追いかける内に、多くの人が仕事のビジョンを忘れてしまいます。電球を磨く男のように…。

ビジョンが、仕事のモチベーションを高める

偉人や一流と呼ばれる人達に共通する要素があります。それは、彼らの多くが社会貢献の意図を持っているという事です。

例えば

「私たちの音楽で、商品で、サービスで、世界をよりよくしたい」

という風に。

そしてその気持ちこそが、彼らの原動力の一つなのです。

それを裏付けるこんな実験があります。

デイヴィット・イェーガーと、デイヴ・バウネスクが行った実験

彼らは高校生に対して、以下のような質問をするグループと、そうでないグループとに分け、勉強時間にどのような変化があるかを調べました。

質問は以下の通りです。

問1.どうしたら世の中はよくなると思うか?

問2.今学校で習っている事で、その為に役立ちそうな事はあるか?

結果…

質問をされたグループは、そうでないグループに比べ、勉強の時間が2倍に増えました。

この実験からも分かるように、私達は自分達の行っている仕事が、「社会にどんな風に役に立つのか?」を意識するだけでも、モチベーションが高まるのです。

つまりビジョンを持つこと。それが一番最初にやるべき事なのです。

結果も仕事のモチベーションには必要

とはいえ、やはり先立つものはお金。その事を忘れてはモチベーションは引き出せません。

マザー・テレサくらいの精神性を持つ人はともかく、普通の人は物質的な欲をある程度満たさなければ、ビジョンを保つ事は難しいと言えます。

例えば、今日食べるものにも困り、お腹をすかせ、公園にブルーシートをひき、寒々とした夜空の下で眠りにつく…そんな状態で「さぁ、世の中を豊かにしよう!」と、思えるでしょうか?当然思えません。「まずは自分をなんとかしろよ」です。

それは有名なモチベーション理論である、マズローの欲求5段階説を見ても裏付けられます。

マズロー欲求5段階説

画像を補足すると、マズローは低次元の欲求を満たしていく事で、更なる高次元の欲求が生まれやすいとしています。

下位欲求は衣食住の獲得や、安定した生活ですが、これらを満たす為には、一定の水準の給料は必要不可欠だと言えます。

そして給料を支払う企業側としては、利益は酸素のように必要なものです。利益が無ければ企業ごと潰れてしまいますから。

ですからビジョンだけでなく、キチンと利益や生産性という「結果」を出す事も、常に頭に入れなければなりません。

とはいえ、利益だけに意識を向けすぎない事は大切です。

本当にいい仕事は、利益ばかりに意識が向いていると出来ないからです。以下のストーリーのように……。

利益に目がくらんだ、あるセールスマンの話…

以前私に、お腹がへこむ健康グッズを販売しようとした人がいました。(私はやせ型で、ペッコリとお腹がへこんでいるのに!笑)

こちらは既にセールストークにうんざりしているのに、しつこく商品を買うメリットを並べたてて、押し売ろうとしてきました。

私が「買わないよ」とハッキリ伝えると、それまでの態度とは打って変わり、手のひら返しで「あなたにかけた時間を返せ!」と、私を罵倒し始めました。

こんなセールスの方法が正しいのでしょうか?

もし相手が、こちらの気持ちを汲み取った誠実なコミュニケーションをしていたら、私から健康グッズに興味のありそうな人を紹介してあげていたでしょう。ですが、彼女はお金しか見ていないからそのチャンスを失いました。

本来、お金とは価値を体現したものです。つまり

  • 役に立ったよ
  • 幸せになったよ
  • ありがとうね

という、お返しにもらえるのがお金ではないでしょうか?

ですから結果も大事ですが、それ以上に「人の役に立ちたい」という気持ちに、意識を向ける事が大切です。

※マズローの欲求5段階説や、様々なモチベーション理論については、《実践!リーダーが知っておくべき5つのモチベーション理論》の記事で紹介しています。こちらも仕事のモチベーションに焦点を当てた記事なので、合わせて読めばより効果的になるでしょう。

実践①.「ビジョンと結果」の観点から目標を立てる

今まで伝えた事をまとめると、本来の仕事のあるべき姿とは

  1. 社会貢献をすること(ビジョンを持つこと)
  2. 利益(結果)を生み出すこと

の二つだという事です。そしてこれらを両方満たす事によって、あなたのモチベーションは引き出されます。

実際に行動にうつす為には、このビジョンと結果からの二つの目標があると良いでしょう。

そこで以下のような質問を用意したので、以下の空欄を埋めてみてください。

ビジョンを立てる

Q1.あなたは仕事を通して、社会や顧客に、どのように役に立ちたいのでしょうか?

A.私は____________したい

【例】

  • 私は人々の能力を開発して、彼らの夢を叶えるお手伝いをしたい
  • 私は情報革命で人々を幸せにしたい
  • 私は電球磨きの仕事を通して、子供達が本を読めるようにしたい

…etc

利益(結果)の目標を立てる

Q2.上記の社会貢献をしながら、利益(結果)を出す為には、今自分は、どんな仕事するべきだろうか?

A.私は____________する

【例】

  • 私は三か月後に月間10万PVを達成する
  • 私は毎日ビジネスアイデアを10個考える
  • 私は毎日電球を500個磨く

…etc

このように、ビジョンと結果の両方の観点から考える事がとても大切です。

点で捉えるのではなく、線で捉えられるからです。例えば、「電球を500個磨く、そうすれば子供たちが本を読める」という風に。

多くの企業が間違うのは、結果の観点からしか目標を立てない事にあります。だから仕事にウンザリしてくるのです。

実践②.ボスに従って、まず自分が善玉菌になる。

「あなたのボスは誰でしょうか?」

と聞くと、一般的には社長や直属の上司と答えるでしょう。

ですが、彼らは本当のボスではありません。彼らの言うことを聞いてはいけません。例えあなたが経営者だとしても、あなたは自分の意見に耳を貸してはいけません。

「では、誰がボスか?」

というと、それは先ほど決めた価値観、つまりビジョンこそが本当のボスなのです。

ボスの命令ですから絶対です。その命令に従って、まずは自分が規範となって動く。そして背中で示していく事が大切です。

「これやったら儲かるかな?ウヒヒ。」

とビジョンを無視した行動をとっていては、実践①.で立てたビジョンも、単なる口当たりの良いスローガンになってしまいます。

世間や会社は腸内細菌のようなものです。以下のように。

タイプ 比率 思考や行動
善玉菌 20% すぐに変われる人、自分の価値観に沿って行動が出来る人
日和見菌 60% 周りの空気を見ながら、自分の思考や行動を決める人
悪玉菌 20% 何を言っても、何をやっても変わらない人

ですからまずは、あなたが善玉菌になって、その空気感を作る必要があります。すると、日和見菌さん達に伝染していき、彼らも善玉菌の仲間となって動いてくれます。

素晴らしいモチベーションを持ち、良い業績を上げる会社は、そのような空気感が作られているのです。

実践③.仕事のビジョンを共有する

目標を立てたら、次はそれを多くの人に共有していきましょう。何故なら仕事は自分だけでしているものではないからです。

必ず

  • 職場の同僚や上司、部下
  • 顧客、ファン
  • 世間の人達

といった人たちが関わってきます。

もし実践①.で立てたビジョンが、社会貢献に繋がるようなものであれば、彼らの中には、その実現に向けて力を貸してくれる事もあるでしょう。

するとあなたの中には、

  • 彼らを裏切りたくない
  • もっと彼らの役に立ちたい

という気持ちが生まれます。これが更にあなたのモチベーションを高めてくれるのです。

こうして自分の周りの人、世の中を巻き込んでいくのです。本当に世の中の役に立つ仕事をしているなら。

アップルやソフトバンクなどの企業は、商品だけでなく、こういったビジョンも一緒に伝えているように感じます。ですから社員やユーザーは、大なり小なり彼らのビジョンを信仰している人が多いと言えます。

ウォントと仕事のモチベーション

ウォント

2017年12月に行われたとあるサッカーの試合にて…

ベネヴェントとACミランの対戦で、ある歴史的なゴールが生まれました。

この試合の後半、ベネヴェントは1-2で、ACミランにリードを許していました。そのまま試合が終わるかと思われたその時…

なんとゴールキーパーであるアルベルト・ブリニョーリ選手が敵陣地まで飛び出し、セットプレーによってシュートを決めたのです。

…まるで漫画のような感動的な話ですが、実際は中々上手くはいきません。

同じ事を試みたゴールキーパーは過去にもいましたが、大抵は上手くいかず、ゴールを外して自陣ゴールまでダッシュで戻る羽目となります。

そして、ブリニョーリ選手は「試合が終わる直前、負け越し」という、状況で行われた行動でしたが、もしこれが普段から行われていたらどうでしょうか?

ディフェンスやゴールキーパーが敵陣地に固まっていたら、「おい、やめろ」となるのが普通ではないでしょうか。彼らは基本的には「ゴールを守る」というのが仕事のはずです

もっと言えば監督がフィールドに出ていって、

「シュートォー!!!」

と、ボールを蹴ったらどうでしょうか?

とんだお笑い話だと思うかもしれません。

ですがこれは会社で、よく行われている事だったりします。(ほら、あなたの会社にもいるでしょう。何でも自分でやろうとする人が。)

あくまで監督(社長やマネージャー)の仕事は、

  • 「どういった方向性で、攻め、守るのか?」
  • 「どの選手がどこのポジションを守るのか?」

を決めるだけです。仕事で言えば、ビジョンや人事を決めるだけです。

各々の目標や、実際の仕事のやり方などは、一人ひとりの選手に任せるべきなのです。まずは彼らを信頼して任せること。ここでは、こうした自律性についてお話をしていきます。

その仕事はwant(やりたい事)だろうか?

もしあなたが、「人は働くのが嫌いだ。だから怒鳴ったり、強制しなければ働かない」と、感じているのであれば、こんな実験結果を覚えておくと良いでしょう。

自律VS強制の行方は?
社会学者、ジェームズ・ディラード達が行った実験

まずは学生たちに「デンタルフロスを使った歯の手入れ」の効果について伝えます。その後、2つのグループに分けて、それぞれ以下のように伝えました。

  • Aチーム.「やった方がいいですが、やりたくなければやらなくても結構です。」とやさしい雰囲気で伝えた。
  • Bチーム.「やった方がいいので、必ずやってください」と威圧的な態度で伝えた。

結果は、自主性を重んじたAチームの方が、デンタルフロスを習慣づけることに、強い意欲を示しました。

つまり強制や命令、威圧的な態度は、相手に望むような行動をとってもらいたい時、往々にして効果が低いという事です。

人は「やらされる(have to)」より、「自分からやる(want to)」方がはるかに仕事が出来るのです。それは子供が母親から怒鳴られ、嫌々と宿題をする姿を見れば、一目瞭然でしょう。

ですから、そもそも論として、自分がしている仕事が「やりたい事」でなければ、いくら頑張ってもモチベーションが沸いてこない事は、心に銘記しておきましょう。(その場合、転職するべきだと私は思います。)

※この自律性については、《あなたの未来を変えるモチベーション3.0の要約と応用》の記事でもかなり詳しく説明しているので、参考にしてみて下さい。

実践①.ゴールだけ決めたら、行動レベルでは柔軟にする

なたはボクサー…

血反吐を吐きながら厳しい練習を乗り越え、いよいよ試合がやってきた。

ゴングが鳴り、いざ戦おうとした時…

「さぁ右ストレートだ!次は左ジャブを入れて、それから……」

と、セコンドがこと細かく指示出しをしてきます。きっとあなたは……

「うるせぇぇぇぇー!!!!」

となるでしょう。

何故なら試合中はセコンドの声ではなく、目の前の相手の呼吸、動作に集中したいはずだからです。

サッカーと同じですが、監督(リーダー)の役割は全体としての方向性、価値観を決める事です。行動レベルでは、プレイヤーの自主性を尊重するべきなのです。

何故ならボールやグローブを持っているのは監督ではなく、一人ひとりのプレイヤーだからです。

また、上司のやり方に従うようにばかりしていては、「自分で仕事をこなしたぞ!」という社員の自己肯定感を育てられる訳がありません。

人は本来、誰かに命令されて仕事をするのではなく、自分が「こうしたい」という気持ちに沿って生きるべきです。

それが人権や尊厳、自由ではないでしょうか?

人は操り人形やロボットではないのですから。

それに人は誰だって給料分の仕事をしたいのです。何もせずにお金をもらう程、本来、人は落ちぶれていないのです。

昔テレビで、ソフトバンクの孫正義さんが、こんな事を言っていたのが印象に残っています。

共通の理念を共有しているね、ビジョンを共有しているね。

だったら後は任すからさ。良きにはからえと。

その代わり独立採算で、「金が尽きたら勝手につぶれろ」と。

この自然界の掟を導入してれば、自分たちで生存本能を働かすわけですよね。

これは仕事のモチベーションを高く保つ上で、心に留めておきたい言葉です。

※子供や部下の自己肯定感を育てる方法論については、《子供の自己肯定感が低い7つの原因と、8つの最高の教育》の記事でもご紹介しているので、人を育てる立場にある人は、是非ご覧下さい。

実践②.仕事の範囲を決め、それぞれのポジションを守る

害者はキャサリン・ジェノヴィーズ…。

これはニューヨーク市クイーンズ区で発生した、とある殺人事件記録です。

彼女は叫び声をあげながら助けを求め、犯人から逃げようとしましたが、35分の間に三度も襲われ、その命は奪われてしまいました。

この事件の驚くべき点は、それが、“大勢の人前”で行われたことです。実に38人の隣人達が、警察に通報すらせずに、ただボーっとその惨劇を見ていたのです。

彼女が息絶えた後、ようやく目撃者の一人で警察に電話しました…。

この事件から学べる、人の普遍的心理の一つに、「集合的無知」というものがあります。分かりやすく言えば「人は集まると馬鹿になる」という事です。

実はこれは通報だけではなく、会社でもよく見かける光景です。例えば

  • 誰かがやってくれるだろう…
  • 自分には責任がないし…

と考えてしまう事は。ですがこれは、本来のその人にあるべきパフォーマンスを下げてしまうのです。

この事は以下のような実験でも実証されています。

人は集まると手抜きをする!?
農業工業学者のマックス・リンゲルマンの実験

人数を変えながら、ロープを引っ張り、一人あたりどれくらいの力が生まれているかを調べた。

  • 一人でロープをひいた場合……一人で63キロ
  • 二人でロープをひいた場合……一人あたり53キロ
  • 八人でロープをひいた場合……一人あたり31キロ

この実験からも分かる事は、人は誰かと一緒だと手抜きをするという事です。

「では、この集合的無知を避けるにはどうすればいいか?」

それは、仕事の範囲をしっかりと決める事です。

シンプルに言えば、「自分の仕事は自分でやる、他人の仕事は手を出さない」という状態を作るようにするのです。

やはり本来は、ゴールキーパーがシュートを入れてはいけないのです。

先ほど、自由に仕事をする事を伝えましたが、それぞれのポジションはしっかりと守る事が大切です。

会社員であれば、自分が会社で何を求められているかをハッキリ把握する事。そしてその仕事を誰よりも素晴らしく仕上げるのです。そしてそれ以外の仕事には手を出さない事です。

実践③.仕事のアドバイスは最小限に留める

人を指導する時、ついつい親切心からあれこれと口出しをしてしまう事があるかもしれません。ですが助言は、必要最低限の事や、求められた時だけに留める事が大切です。

そうしなければ、“おせっかい”になってしまう。

何故ならこんな実験結果があるからです。

MRI(脳活動を図る装置)を使った実験

大学生に以下の二択の選択を選んでもらいます。

  • 選択肢①.報酬金を無条件で受け取る
  • 選択肢②.報奨金が増えるサイコロを転がす

この際、以下のような二つのグループに分けました。

  • Aチーム:その場で自分で決めさせる
  • Bチーム:経済学者が「選択肢①を選びなさい」と助言する

すると結果は、Aチームは脳の働きが活発になったのにたいして、Bチームは脳が思考停止状態になり、大抵の人がサイコロを転がさずに帰ったそうです。

この事から分かるのは、仕事を教える側の人間が、あれこれと教えすぎてしまうと、部下は何も考えなくなるという事です。

良いホテルのウェイターをイメージすると良いでしょう。

お子様が来たらお子様用の椅子を用意する。フォークやスプーンを使う順番を間違っても、お客さんが恥をかかないように、そっと新しいものを用意する。つまり必要な時に必要なだけのサービス(アドバイス)をするのです。

なのでウルサイ上司の口には、脱ぎたての靴下を詰め込み、ホッチキスで「ガチャン」と、止めておく事をお勧めします。(ただし、この発言の責任は取らないものとする。)

エールと仕事のモチベーション

エール

 

像してみて下さい…あなたはミュージシャン。

バイトをしながら生活費を稼ぎ、余った時間は遊びにも行かず、練習を繰り返す日々。貯まったお金は楽器代や、音楽スタジオの費用へと消えていく。

メンバーと衝突しながらも難産の末に音楽を完成させ、いざライブハウスへ。これで苦労が報われる…そして、ステージの幕が上がる。

あなたが客席を見渡すと……お客さんはたったの二人。

この時、あなたはどんな風に感じるでしょうか?

これはフィクションではなく、GLAYがデビュー前に、東京に進出した時の初のステージの話です。(GLAYだけでなく、多くのアマチュアミュージシャンが、同じ気持ちを味わっているでしょう。)

私も以前に音楽をやっていたので、同じような経験をした事があります。この時の気持ちはとても言い表せません。

「練習だと思えばいいか」と、気持ちを切り替え、心の中で虚勢を張るのですが、体は震え、顔はこわばり、どんどん暗い気持ちになっていきます。

音楽家にとって、ファンからの声援は自分を動かす血液なのです。それが無ければモチベーションを保つのは、とても難しいでしょう。

何故なら人には誰しも「自分の仕事を認めてもらいたい」という気持ちがあるからです。

  • 音楽家は、音楽によって、ファンを励ます。
  • ファンは声援によって、音楽家を励ます。

彼らはお互いが、励ましのエールを送りあっています。私たちも、そういう風に仕事をするべきではないでしょうか?

エールの言葉は仕事をする上での重要なスキル

気分は仕事のクオリティを左右する!?
ポジティブ心理学者、ショーン・エイカーによる実験

架空の患者の症状や病歴を読み、3チームの医者達に診断してもらう。

  • Aチーム.事前に何もせずに診断してもらう
  • Bチーム.事前に医療関係の記事を読んでもらってから診断してもらう
  • Cチーム.事前に、キャンディをあげてから診断してもらう

すると、「Cチームが、他の2チームに比べて二倍の速さで正確に診断した」という結果が出ました。

言い換えると、「人は気分が良い、仕事のクオリティも高まる」という事です。白衣を着た権威のある人でさえ、キャンディ一つに騙されるのですから驚きです。

また、ある経営コンサルタントが調べた情報によると、仕事場での不満や転職の理由のほとんどは「周りとのコミュニケーションや、自分が認められないこと」にあるそうです。

これらのデータを見るに、会社の利益や数値には直接表せませんが、

  • 仕事に取り掛かる際に、自分の気分を良くする
  • 職場の雰囲気を明るくする

という事は、仕事をする上での重要なスキルの一つだと言えます。そしてそれを叶えてくれるのが、エールの言葉です。

エールはタダで強烈なモチベーション装置

マズローの5段階欲求説の所でもお話ししましたが、人には、最低限の物質的な欲求が必要です。例えば食べること。着るもの。雨風をしのいでくれる家。

その為に会社の給料は必要です。

が、それだけでは人の欲求は満たされません。もう一つプラスして必要なのが、“人に認めてもらう”という事です。

これはモチベーションに繋がる人の根本的な欲求です。

例えば子供が

「ねぇねぇ、見て~!」

というのは大人に認められたいから、気をひきたいからです。(そして大人の中には、その為に自殺未遂をしたり、病人のフリをする人もいるくらいだ。)

「人を動かす」で有名なデールカーネギーは、これを自己の重要感と呼び、心理学者のフロイトは「偉くなりたい欲求」だと言っています。

その大切な自己重要感を満たしてくれるのが、エールなのです。これの良い所は、使ってもなくならない点にあります。

それに比べて給料には限界があります。

例えば社員の給料を2倍、3倍にすることは出来ません。時給3000円の仕事とか、「課長になったら時給を500円アップするよ」とか、聞いた事がないですよね?せいぜい頑張っても時給は10円~100円程度しか変わりません。

お金を引き上げようとしても、企業が利益を求める限り、そこには限界があります。ですから、これをモチベーション装置にする事は出来ないのです。

ですが、称賛の言葉を2倍にするのは難しい事ではありません。それどころか10倍にする事だって可能なのです。

それではここからは、そのエールの使い方についてお話をしていきましょう。

実践①.相手にスポットライトを当てろ

「お世辞っぽくなるから…」と、人を褒めるのが苦手な人が結構います。また、子供を育てる親が、「うちの子は褒める所なんてない!」と、言ったりしています。これはとても残念な事です。

何故ならそれはどちらも、褒める側の観察不足でしかないからです。

相手を褒めれない原因は、自分にスポットライトを当てすぎている事にあります。人は自分に興味あること、自分が話したい事ばかり考えてしまうのです。

ですがそれでは自慰行為と変わらず、双方が気持ちよくなれません。

そうではなく、相手にスポットライトを当てるのです。

  • 相手の長所
  • 相手の望んでいること
  • 相手の悩み

について“ばかり”考えるのです。自我を消し、相手だけを見るのです。そうすれば、自然と称賛の言葉は口から生まれるものです。

そもそもコミュニケーションはお互いが豊かになる為にあるのです。

自分の事は、一人の時にでも考えればいいのです。コミュニケーションをする時くらい、相手の事ばかり考えても構わないのです。(多分、それでも自分の事を考えてしまいますから。)

私が好きな思想家のエマーソンの言葉があります。

どんな人間でも、何かの点で、私よりも優れているー私の学ぶべきものを持っているという点で。

エマーソンにしてこの言葉ですから、私たちはもっと他人の優れた点について、見つめる必要があるのではないでしょうか?

実践②.8ポジティブ、2ネガティブで評価する

どうも人というのは、陰と陽、白と黒、天使と悪魔のように、どちらかのバランスに偏ってしまいがちです。

称賛について言えば

  • 褒める人は褒めてばかり
  • 叱る人は叱るばかり

に終始しがちです。ほら、きっとあなたの職場にもそういう人がいますよね?

ですが、これらはどちらも効果的ではありません。

毎回褒められたら、「あぁ適当な事を言ってるな~」と、真実に聞こえませんし、毎回叱られたら「なんだよ、ウゼェな」と、やる気を無くすのは、火を見るより明らかです。

そこで、これは私の個人的な感覚ですが、

  • 8回のポジティブな評価
  • 2回のネガティブな評価

くらいのバランスを取ると、良いのではないかと思います。(また、これは自分の自己評価も同じです。)

叱るときも、いつも真実の称賛をしてくれる人が、ここぞという時に言うから身にしみますし、改善しようと頑張れるのです。

実践③.人格を褒める

正しい人の褒め方とは?
心理学者のジョアン・グルーセックの実験

ビー玉で遊んでいる子供にお願いして、ビー玉を友達に分けてもらいました。その際、以下の二グループに分けて、褒め方を変えてみました。

  • Aチーム:「素晴らしいことだ、人の役に立つことをした」と行動を褒める
  • Bチーム:「素晴らしい子だ、人の役に立てる子だ」と人格を褒める

すると結果は、Bチームの方が35%多く、入院している子供を元気づけるプレゼントをした。

この実験から分かる事は、人を褒める時は、人格や価値観に結び付けると良いという事です。

例えば

  • 「○○さんのその考え方は素晴らしいですね。」
  • 「○○さんは服のセンスが良いですね」
  • 「○○さんは、人を思いやれる人ですよね」

という風に伝えるべきなのです。何故なら人格と結び付けて褒めると、セルフイメージに直接影響を与えやすいからです。

※セルフイメージとは、「自分が自分をどのように思っているか?」という自己評価のようなものです。そして人はセルフイメージ通りにしか生きれません。この事は《セルフイメージとは夢を叶える3%の人が共通して使う技術のこと》という記事で説明したので、興味がある人は見てください。

実践④.行動を叱る

逆に叱る時は、人格と結びつけないようにしましょう。

よく耳にしますが、

「なんで、お前はいつもそうなんだ!」

というのは、セルフイメージを傷つてしまう好ましくない怒り方です。

そうではなく、「君じゃなくて、その行動が間違っているんだよ」というニュアンスで、伝えるべきなのです。

例えば

  • 「何かを学べたなら、拍手喝采ですよ。次はその学んだ事を活かして、違うアプローチを試してみればいいじゃないですか」
  • 「チャレンジした勇気が素晴らしいですね。ただ、やり方が間違っていたから、次はこうしてみましょうよ」

という風に、伝えればいいのです。

このようにすると、相手のセルフイメージは下がらず、その行動も改善しやすくなるでしょう。

また、これは自分が失敗した時にも使えます。自分が失敗した時は、「なんて俺はダメなんだ……」ではなく、「この行動が間違っていたんだ、だから次からは変えていこう、これに気付いた俺はエライ!」という風に考えると、モチベーションを下げずに済むでしょう。

3つの原因に対応する仕事のモチベーションの上げ方

最後に、この記事の内容をまとめて終わりにしたいと思います。

まず、せっかく、あなたの貴重な時間を使っていただいた訳ですから

  • ビジョン
  • ウォント
  • エール

の三つだけは、記憶の片隅に叩き込んでもらえると幸いです。

また、それぞれの改善策は以下でまとめているので、宜しければ活用して下さい。

ビジョン

仕事のモチベーションは

  • 「自分の仕事が社会にとって役に立っている」
  • 「利益(結果)を生み出すこと」

という二つの要素を満たすことによって高まる

その為に、以下の二つの質問に答えて、目標を立ててみましょう。

Q1.あなたは仕事を通して、社会や顧客に、どのように役立ちたいか?

Q2.上記の社会貢献をしながら、利益(結果)を出す為には、今、自分はどんな仕事するべきだろうか?

そしてその目標を、まずは自分で実践し、周りに共有していきましょう。

ウォント

根本として、人は自分が「やりたい仕事」でなければモチベーションは生まれない。そして人は「やらされる」より、「自分からやる」方が、はるかに高いモチベーションが生まれる。

その為に、以下の実践を行いましょう。

  • ビジョンは共有するが、仕事のやり方はそれぞれ自由にする。
  • 自分の仕事は自分でやる、他人の仕事には決して手を出さない。
  • 必要な時や、求められた時のみアドバイスをする。
エール
  • 自分の仕事を認めてもらうこと
  • いい気分で仕事をすること

これら二つは、モチベーションに欠かせない血液のようなものです。そして、これらを満たす為に必要なのが、称賛の言葉です。

その為に、以下の実践を行いましょう。

  • 相手にスポットライトを当てる。(自我を消し、相手の欲望や悩み、長所について考える)
  • 8ポジティブ、2ネガティブで評価する
  • 相手の人格や価値観を褒める
  • 相手の“行動だけ”を叱る

それでは、あなたの仕事が、世界をよりよい方向へ変えていく事を、心から願っています。

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