
アイコンタクト一つで人生は変わる…
と言えば大げさだろうか?いや、俺はそんな風には思わない。何故なら、過去にそれを実感するような出来事があったからだ。
それはまだ、俺が音楽をやっていた頃の話だ。あの日、いつものようにライブハウスで演奏をしていると、知らない男がジーっとこちらを見つめているのに気づいた。
まるで時が止まったようだった
ガンガンとうるさい音の中、沢山の人がごったがえす中で、何故か俺は彼から目が離せなくなった。
俺たちのライブが終わり、バーで数人のお客さんと話をしていると、あの男がそこにいた。気になって話かけてみると、彼もまたミュージシャンだと分かった。
俺たちは意気投合し、彼は自分たちのライブに誘ってくれた。
衝撃のライブだった
俺はすぐに彼の生み出した音楽のファンになった。その高い演奏技術とオリジナリティ溢れる音楽は、プロレベルでもそう見かけないものだった。
ライブ後、俺がその思いのたけを伝えると、彼は打ち上げに参加しないかと誘ってくれた。もちろんOKだ。
その打ち上げの最中、俺は周りの目線も気にせず、彼をじっと見つめていた。周りのヤツに「目がハートになっているよ」と冷やかされた。
でもどうだっていい。俺にとって彼はスターだ。マイケルジャクソンやスティーブンタイラーと同じように。すると不思議と彼も俺の事を気にかけてくれた。
彼は俺に人生の全てを叩き込んだ。
それからというもの、彼は俺の師匠とも言える人となった。作詞・作曲の方法、ギターやボーカルの技術の磨き方、といった音楽面だけじゃない。礼儀作法や仕事のやり方、彼を追いかけ、住んでいる場所まで変えた。
間違いなく、俺の人生に一番大きな影響を与えた人物だ。
だがそれも、彼と俺があんな風にアイコンタクトをしたお陰だ。もしあれがなかったら、俺たちはただすれ違う群衆の一人になっていただろう。
この9つのアイコンタクトを使って、相手の心理を操れ!
そこでこの記事では、俺の人生を変えてくれた、アイコンタクトにまつわる9つのテクニックをご紹介したい。
より具体的には
- 会話を始める-スタート・アイコンタクト
- 一目ぼれを起こす-5セコンズ・アイコンタクト
- デキル人に見せる-リーダー・アイコンタクト
- 半強制的に目を合わさせる-フォース・アイコンタクト
- 距離を置き、惹きつける-ネグ・アイコンタクト
- 感情の増幅-アンプ・アイコンタクト
- 瞳孔を開く-ダーク・アイコンタクト
- 好意の伝染-ウイルス・アイコンタクト
- 見つめられる人になる-ピーコックセオリー
といったものだ。読み終える頃には、
「アイコンタクト一つでこれだけの事が出来るのか!?」
と驚愕すると共に、あなたは瞳で人を惹きつけるプロになっているだろう。それではご紹介していく。
※この記事では、アイコンタクトを使った心理誘導の技術をメインに話をしていく。アイコンタクトから心理を読み取る技術については《目が合う2人の行方とは-瞳が語る4つの心理と口説きテク》という記事で紹介しているので、そちらも読むと目の非言語について、理解が深まるだろう。
1.会話を始める-スタート・アイコンタクト
有能なホテルマンやウェイターは、よくお客さんの目線を観察している。何故なら要望があったり、不満がある時、必ずお客さんは視線を投げかけてくるからだ。
だからこそ接客のプロは、お客さんが「お~い!」なんて大きな声をあげる前に、サッと彼らの所に歩み寄れる。
そんな風に、会話の前に目線が合うのは、「お喋りスタートの合図」となっている。
こうした方法を用いて、宗教家は街角で募金を集め、屋台のおっちゃんは、子供達にお祭りくじを売りつける。
これを逆に利用する方法がある。
つまりあなたが意中の人など、話をしたい相手がいたら、じっと見つめるのだ。そして目があった瞬間に話かけよう。
これは例え遠くにいたり、周りに人がいても有効なテクニックだと言える。レストランや職場で練習を積んでみると良いだろう。
ただ気をつけるべきは、あまり時間をかけ過ぎない事だ。長い時間、こちらが見つめていると、相手は目線をそらすようになる傾向がある。
相手からは
「何か見られている…怖い」
と感じられるからだ。なのでコツは、一番最初に目があった瞬間から3秒以内に、すかさず声をかける事だ。そうすれば会話のスタートが切りやすくなる。
2.一目ぼれを起こす-5セコンズ・アイコンタクト
「おいコラ、なめとんかワレェ!!」
ある日、俺が居酒屋で酒を飲んでいた時の話だ。俺の席の横で、チンピラ風な兄ちゃんたち二人が喧嘩を始めた。
彼らは額と額を合わせて、まるでダチョウ倶楽部のコントのような距離で、お互いに手を出さず、睨みあっていた。(キスはしなかったが)
彼らの世界では、にらめっこと同じように「先に目をそらした方が負け」なのだ。
傍から見ているとバカバカしいと感じるが、心理コントロールの観点からみると、正しいのかもしれない。特に初対面の場では。
何故ならにらめっこに勝った人は、その後に心理主導権を握る傾向があるからだ。たった数秒間で主従関係が出来てしまうのは驚きだが、事実だから仕方ない。
また一目ぼれをした時は、相手の目を無意識の内に「5秒~7秒程度」見つめてしまうそうだ。一般的なアイコンタクトが1秒程度なので、これはかなり長い時間だと言えるだろう。
逆に言えば初対面の際に、自分から目をそらさず、相手を意図的に5秒以上見つめれば、好意を伝える事が出来るという事でもある。
そうすれば相手は
- 「なんか見られてる、ドキドキする」
- 「この人、私の事が好きなのかな?」
という風に、感じるはずだ。相手に一目ぼれが起こる可能性も高いだろう。
心理主導権や一目ぼれ…こうした要素を考えるに、
基本的には
「初対面で誰かと目が合った時、絶対に自分から目をそらさない」
という事を心がけると良いだろう。
ただ一つ注意点としては、
- 女性は沢山見つめる男性を好意的に見る
- 男性は沢山見つめる女性を好意的に見ない
というデータがある事だ。
つまり読者が女性だった場合は、意中の人をあまり見つめない方が良いかもしれない。
3.デキル人に見せる-リーダー・アイコンタクト
「Yes,We can!」
のキャッチフレーズと共に、演説の天才として言われるオバマ大統領。
彼は19分近くに渡る就任演説の中で、聴衆へのアイコンタクトを沢山行っていた。その割合は、全体の50.4%だったそうだ。
また、東京オリンピック招致に大きく貢献した安倍首相のスピーチ。彼が審査員へのアイコンタクトを行った割合は全体の66.5%と、オバマ大統領を上回る時間だった。それは東京オリンピック開催に大きな貢献をしたのだろう。
《データ元:PRESIDENT WOMAN男と女のアイコンタクト~目線から分かる心理傾向》
彼らはアイコンタクトの影響力を知っていたのかもしれない。実はアイコンタクトには、社会的地位を表わす役割がある。
具体的には
- 地位が高い人:話をしている時に相手を見る、話を聞いている時は相手を見ない
- 地位が低い人:話をしている時は相手を見ない、話を聞いている時は相手を見る
という傾向がある。
つまり「話をする時に相手を見るだけで」、相手は自分を価値の高い人間だと無意識に思うようになるという事だ。
これは特に「初対面~知人レベル」くらいのタイミングで使うと、その後のコミュニケーションがグッと楽になる。
何故ならその後、相手が「あぁ、この人はデキル人だ」と、敬意を持って接してくれるようになるからだ。そうすれば、周りから頼られ、信頼されるリーダーポジションにつけるだろう。
もちろんそれ以外のタイミングでも使える。例えば奥さんから尻にしかれがちな旦那であれば、このようにして会話をすると、段々とパワーバランスがこちらに傾くだろう。
不思議と自分の主張が強くなって通るようになり、相手は段々尻すぼみになっていく事に驚くはずだ。
※心理的な主導権を握ったり、パワーバランスを整えるためには、私が考案した《心理ステータスの技術》を活用すれば良いだろう。いつも立場が弱くなる人は是非読んでみてほしい。
4.半強制的に目を合わさせる-フォース・アイコンタクト
「あれ?俺、いつもアイツの事ばっか見てるな…」
と感じた事はないだろうか?そしてその後にはきっと、こんな思考が続くだろう。
- 「もしかしたら、アイツの事が気になってるのかな」
- 「私、彼の事が好きなのかしら」
つまり、
よく目が合う人は相手の気になる存在になる
という事だ。
そして、そんな錯覚を半強制的に起こすテクニックが、フォース・アイコンタクトだ。
やり方はシンプルで
「嫌でも自分が、相手の視界に入るような位置にいる」
だけだ。
まさか相手はそんな事を仕掛けられているとは思わないだろう。だからこそ「なんかあの人のこと、いつも見ちゃってる」と感じてしまう。
この時にもう一つコツがある。それは「相手の意識側に立っておく(座っておく)事」だ。
実は人の体には意識側・無意識側があり、意識側は目線が行きやすいという傾向がある。つまり相手の意識側にいれば、自然と目が合うようになるし、見られやすくなるのだ。
「では意識側はどうやって見分けるのか?」
というと、
- 髪の分け目がある方
- バッグを持っていない方(斜め掛けの場合でも、バックがない方だ。)
が意識側となる。あなたがいつもそちら側にいるだけで、自然と相手から好意を引き出す事が出来るだろう。
※より詳しくは、見た目とコミュニケーションについて書いた《私がコンビニに行くと女が馬鹿に…でも見た目を変えると…?》という記事に書いてあるので、そちらを参考にしてほしい。 |
5.距離を置き、惹きつける-ネグ・アイコンタクト
何故ただの石ころであるはずのダイアモンドが、あれほど高価な値段で取引されるのか?何故普段はジャブジャブと捨てる水が、砂漠ではダイアモンドより必要とされるのか?
それは「希少性(珍しいもの)」があるからだ。
米国を代表する社会心理学者ロバート・チャルディーニも、人を動かす要素の一つとして、この希少性を挙げている。
そして、この希少性を刺激する技術が、ネグ(Neg:ネガティブな)アイコンタクトだ。具体的には、「意図的に目線をそらす」というものになる。
例えば、相手が気に食わない事を言ったりした時に、「あっそうなんだ」「ふ~ん」とでも言いながら、顔ごと目線をそらしてみよう。出来るのであれば、胴体もそらしてつまらなさそうにする。
そうすれば、相手は少し不安になり、
「あれ…なんか怒らせたかな?」
と感じるだろう。
すると、あなたを喪失するのを怖れ、あなたを求めるようになる。機嫌を取ろうとする。好意を寄せる。具体的には自分に質問をしてきたり、笑顔が増えたりする。
何故なら人は
「拒絶されると、追いたくなる」
という心理があるからだ。失うのが怖いからだ。失えば手に入らなくなる。つまりダイアモンドのように自分を希少価値が高いものとみなすようになる。
注意点は「つまらない」という気持ちを言語に出さないこと。言語に出せば対立した空気を生んだり、議論になってしまう。あくまで“態度”で示す。
そうすれば、例え相手が「ごめん、怒らせちゃった?」と言っても、「何の事?」と返す事が出来る。
このネグ・アイコンタクトを定期的にやっていると、段々と相手は自分に惹かれ、好意的な言葉を言い、嫌な事を言わなくなる。
そして、あなたはダイアモンドのように求められる人になるだろう。
※ネグの技術は表情を使っても出来るだろう。表情については、《写真解説付-6つの表情に隠れた相手のホンネを知る方法》という記事で、かなり詳しく書いているので、こちらを参考にしてほしい。
6.感情の増幅-アンプ・アイコンタクト
音楽業界では、マイクやギターの音を増幅する機械の事をアンプと言う。実はアイコンタクトにも、このアンプのような働きがある。
社会心理学者の福原省三さんが行った実験にこんなものがある。
内容は以下のようなものだ。
アイコンタクトと印象の実験
結果は、見られなかったBグループよりも、見つめられたAグループの人たちの方が、より実験者を好きだと評価したそうだ。 そして面白いのは、この逆の実験も行った事だ。
すると結果は、見られなかったDグループよりも、見つめられたCグループの人たちの方が、より実験者を嫌いだと評価したそうだ。 |
ここから分かるのは、アイコンタクトには「感情を増幅させる働きがある」という事だ。
なので基本的に、
- ポジティブな言葉は(好きです、楽しい、ありがとう)相手の目を見ながら伝える
- ネガティブな言葉は(嫌いです、つまらない、悲しい)相手の目を見ないで伝える
といった事を心がけると良いだろう。
例えば俺が意中の女性によく使っていたのは、「その服、オシャレで好きだな。」などと伝える時に
「好き」
という言葉と同時にアイコンタクトを送るようにしている。すると、相手の無意識に「好き」という言葉が刷り込まれる。これはハンバーグが「好き」でも、ギターが「好き」でも何でも構わない。
上手くやれば相手を「ドキッ」とさせる事が出来るだろう。
7.瞳孔を開く-ダーク・アイコンタクト
恋人と二人で美しい夜景を眺める…ロマンティックな空気が流れ、お互いは次第に惹かれあっていく。
そんな経験はないだろうか?
実はこれを裏付ける実験がある。
心理学者のエックハート・ヘスは男性の被験者に対して
を見せる実験を行った。すると、彼らはBの写真を「かわいい、やさしそう、女性的」という風に捉えた。 |
上記の実験から分かるのは、
「人は、瞳孔が開かれた人間に魅力を感じる」という事だ。この実験結果を利用する方法はいくつかある。その一つに
「暗い場所でコミュニケーションを取る」
というものがあるだろう。
何故なら人の瞳孔は、明るい場所では縮小し、暗いとより多くの光を取り入れようと、瞳孔が拡大するからだ。
例えば夜のデート、照明が抑えられたバーやクラブ、カラオケボックス…こうした場所でデートをすると、二人の仲は深まりやすくなるだろう。(ただし映画はダメだ。会話をしないし、俳優に夢中になる)
もう一つ言えば、朝や昼間よりも、夕方や夜の方が、人の自律神経が副交感神経優位になりやすく、お互いがリラックスしやすい。更に脳が疲労しているため、思考能力も低下する。
こうした状態の時、人は「誰かと親密になりたい」と感じやすい。
これらの様々な要素を考えると、お互いの関係性を深めるには、夕方以降にコミュニケーションを取る方が効果的だと言えるだろう。
8.好意の伝染-ウイルス・アイコンタクト
「感情はウイルスのように伝染する」
この事は神経科学・脳科学などの世界で明らかになってきた事実だ。そしてハーバード大学教授であり、「EQ」という世界的なベストセラーを書いたダニエル・ゴールマンもこれに同意している。
この事実をアイコンタクトのテクニックとして応用する方法がある。
具体的には
「好意の感情を持って相手を見ることで、相手に好意を抱かせる」
というものだ。
とはいえ、瞳をコントロールするのは難しい。「眼輪筋を下げて、うえ瞼をリラックスさせ、下まぶたは…」なんて会話中に考えてられないだろう。
そこでお勧めなのが、過去の記憶を利用する方法だ。
手順で言えば
- 自分の過去の体験から嬉しかったこと、例えば恋人とデートをした時の事などを思い浮かべ、ポジティブな感情を想起させる。
- そのポジティブな感情を保ったまま、相手を見て会話をする
というものだ。
これはハリウッド俳優達も使っている「メソッド演技法」を応用したもの。彼らはこうしたテクニックを使って、観客を興奮させたり、涙を流させたりしている。
感情が伴えば、自然と瞳にもその感情は宿る。そして瞳を通して、相手にその感情が伝染していく。これがウイルス・アイコンタクトだ。
これにはもう一つの利点がある。それは人はポジティブな感情を持つと、瞳孔が開きやすくなるという事だ。つまりウイルス・アイコンタクトはブラックアイコンタクトも兼ね備えた、強烈な技術だと言えるだろう。
ちなみに私は過去に女性から告白された経験をよく引っぱり出す。だから脳内では毎日、何人もの女性に告白をされている。笑
※実は、サブモダリティ・チェンジという技術を使って、よりポジティブ感情を強める方法がある。これについては、《3ステップ!モチベーションを維持する究極の自己洗脳技術》という記事を読んでほしい。
9.見つめられる人になる-ピーコックセオリー
何故クジャク(ピーコック)のオスは、鮮やかな羽を広げるのだろうか?
その主な働きは「美しく整った大きな羽を見せる事で、メスを魅了する為」だと言われている。そしてメスから注目を浴びられるオスだけが、生存競争に生き残れるのだろう。
これは人にも同じ事が言える。
実は人には
- 尊敬している人・好きな人の事を長く見つめる
- 軽んじている人・嫌いな人の事はあまり見ない
という心理傾向がある。
つまり言い換えれば、見つめられる人になればなるほど、相手から尊敬や好意を勝ち取り、恋愛やビジネスが上手くいきやすくなるという事だ。
「では、見つめられるにはどうすればいいのか?」
というと、エンターテイナーやパフォーマーと呼ばれる人たちを参考にすると良いだろう。例えばミュージシャンや俳優、マジシャンやお笑い芸人などだ。
彼らは
- 目立つ服装・人とは違った服装
- 身振り手振りが大きい
- 大きな声
という風に、周りの注目を浴びる表現をしていないだろうか?
そして、あなたも今日からエンターテイナーになってほしい。そうすれば、あなたは人々から注目を浴び、見つめられる人になるはずだ。
※また、ジェスチャーを上手く使いこなす事で、注目をあびたり、相手の心理操作をしたりも出来る。これについては、《業界初!14のパワージェスチャーを使った人心掌握術》という記事を参考にしてほしい。 |
まとめ:あなたの人生を変える9つのアイコンタクト
最後でこの記事でご紹介した、アイコンタクトの技術をまとめて終わりにしよう。
あなたの人生を変える9つのアイコンタクト 1.スタート・アイコンタクト 2. 5セコンズ・アイコンタクト 3.リーダー・アイコンタクト 4.フォース・アイコンタクト 5.距離を置き、惹きつける-ネグ・アイコンタクト 6.アンプ・アイコンタクト 7.ダーク・アイコンタクト 8.ウイルス・アイコンタクト 9.ピーコックセオリー |
これらは私にとって
- 人生を変えてくれた師匠との出会いをもたらしてくれ
- 愛する女性たちと幸せな時間を過ごさせてくれた
最高の宝物たちだ。
是非あなたも身につけて、素晴らしい人生を送る糧にしてくれればと思う。